アメリカの信頼度の高い安全なベビーフードブランド

前回は、全米で大きなニュースにもなったアメリカのベビーフードから有毒重金属が検出された件について書きました。ベビーフードなら安全だというイメージを持っている人も多いかと思いますが、まさに衝撃ニュースでしたね。

また、大手の老舗ブランドを含む市販のベビーフードの95%に有毒重金属が含まれている事実が判明し、安全なベビーフードはあるのか?どこのものが信頼できるのか?気になったかと思います。

そこで今回は、アメリカのベビーフードについて信頼できるものとそうでないものをブランド別にリスト化し、どのように選ぶべきかまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。

信頼できるベビーフードブランド

前回の記事で書いた通り、一般的にアメリカのスーパーやドラッグストアの店頭に並ぶベビーフードには、オーガニックのものでさえ、有毒重金属が含まれていることが分かりました。

しかし、さすが多種多様な国アメリカ!食に関してもピンキリとはいえ、選択肢が多くあるのが良いところ。もちろんベビーフードもよりこだわり安全なものを販売しているブランドもあるのです!

色々と調べてみた中で、食材にこだわり、安全なベビーフードを提供したいという強い信念のもと製造しているベビーフードブランドを厳選しました。

Serenity Kids

こちらは以前に紹介したことがありますが、タンパク質入りのパウチが豊富で、ベビーフードでは珍しいサーモンのパウチも販売しています。また、砂糖の量も少なく作られているのが特徴です。(100g当たりだいたい4gほど。他と比べて1/3の量)

全ての商品がオーガニックではありませんが、原料のビーフやポークは小さな家族経営の牧場と契約しており、Non-GMOの飼料、ホルモンや抗生物質も不使用で安全に作られています。

アメリカ国内の契約農家で作られる有機野菜を使用しており、農場の土壌からテストなどを行い厳しく管理されています。また、厳格な食品安全監査であるSQFレベルⅢを受けています。

FDAはベビーフードの安全基準を設定していないため、世界で最も厳しい基準の一つでもあるヨーロッパの基準に従って製造しており、その基準も満たしているそうです。(素晴らしい企業努力!)

さらに、Clean Label Project(小売業者から製品を購入して認定ラボにて有毒重金属や農薬などを含む200を超える汚染物質をテストする機関)のPurity Awardを受賞しています。

*Serenity Kidsのメリット

  • 原材料と完成品の両方のテストを行っている。
  • 最もクリーンなベビーフードとして賞を受賞している。
  • 砂糖の量が少ない。
  • タンパク質入りベビーフードが豊富。
  • 種類にサーモン入りのパウチがある。
  • ホールフーズマーケット、Amazonで購入することができる。
  • サブスプリクション購入も可能。

*Serenity Kidsのデメリット

  • 値段設定が高め(1パウチ3.5oz:$3.4〜$5)※もちろん原材料のこだわりを思えば妥当です。

Once Upon A Farm

こちらも以前に紹介したことがあるブランドですが、ハリウッド女優のジェニファーガーナーがCo-Founderでもあり、USDA認定オーガニックで、保存料不使用です。

1番の特徴はHPPと呼ばれる手法で製造するコールドプレスであること。加熱するのではなく高圧をかけて製造するため、素材の味、色、食感をそのまま生かし、栄養素もぎゅっと凝縮されています。

月齢に応じて、良質な油とスーパーフードを取り入れるなど、従来のものよりフレッシュでより栄養価の高いベビーフードを製造しており、コールドプレスなので要冷蔵ですが、日持ちします。

また、Serenity Kidsと同様に、Clean Label ProjectのPurity Awardを受賞しています。受賞履歴を見ると、最新で2021年にも新たに商品が追加されていたので企業努力の継続が伺えます。

*Once Upon A Farmのメリット

  • コールドプレスなので新鮮かつ栄養凝縮。
  • 栄養価が高い。(良質な油、スーパーフード)
  • 最もクリーンなベビーフードとして賞を受賞している。
  • ホールフーズマーケットを始めいくつかのスーパーと、Amazonで購入できる。
  • 価格が良心的。(1パウチ4oz:$3)

*Once Upon A farmのデメリット

  • 保存が要冷蔵。(持ち運びなど不便)

Cerebelly

こちらは3人の子を持つドクターが始めたブランドで、ワールドクラスの医師、小児科医、栄養士がタッグを組んで科学をもとに乳幼児の脳の発育に良く栄養価の高いベビーフードを作っています。

「3歳までの脳の発達が最も重要で食べ物からも大きな影響を受ける」ということから、栄養価を重視しており、実際に栄養成分表示で推奨されている赤ちゃんの1日の摂取量の20%以上の栄養素を含んでいます。

USDA認定オーガニックはもちろん、原材料に関しては一つの食材に対し最低2つの農家と契約し、最もベストなものを使用するというこだわりの上、有毒重金属の規定を独自に設けています。

原材料の有毒重金属のテストを農家に求めるとともに、農家から直送された時と完成品の両方でテストを行います。Cerebellyのパウチも、Clean Label ProjectのPurity Awardを受賞しています。

*Cerebellyのメリット

  • 科学に基づく栄養価。
  • 脳の発達に良い成分配合。
  • 原材料と完成品の両方のテストを行っている。
  • 最もクリーンなベビーフードとして賞を受賞している。
  • ターゲットやクローガーなどの大手スーパーやAmazonで購入できる。
  • 価格が良心的。(1パウチ4oz:$3以下)
  • サブスプリクション制や各個人(赤ちゃんの月齢と栄養)に合わせた販売も導入している。

YUMI

こちらはオンラインのみで販売しているUSDA認定オーガニックのベビーフードブランドです。原材料については土壌汚染データをもとにより良い農場を探し、信頼度の高い農家と契約を結んでいます。

また、有毒重金属については、原材料とともに完成品も定期的に検査しています。(完成品における有毒重金属についての検査は義務付けられていないのでほとんどのブランドは行っていません。)

毎週ロサンゼルスのキッチンで作られるYUMIのベビーフードは、保存料不使用なので、要冷蔵です。日持ちは冷蔵庫で7日、冷凍庫で2ヶ月保存が可能です。

週ベースのサブスプリクションデリバリーサービスなので、自宅にいながら離乳食をオーダーし、必要な分が届きます。オーダーは1週間毎の最小ロットが8個ですが、マンスリーなどお得なプランを選ぶことができます。

*YUMIのメリット

  • 有毒重金属について定期的に検査している。
  • サブスプリクション制なので、購入が楽。
  • 種類が豊富で離乳食初期から24ヶ月までのベビーフードがある。
  • パウチではなく瓶。
  • 作りたて新鮮なものが届く。

*YUMIのデメリット

  • サブスプリクション制なので、登録など手続きが必要。
  • 価格が少し高め。(1個4oz : $4以上)

Little Spoon

こちらもオンラインのみで販売しているUSDA認定オーガニックのベビーフードブランドです。YUMI同様にサブスプリクション制で、2週間毎のデリバリーとなります。

保存料不使用で、HPP(コールドプレス)製法で製造しているので、栄養素も凝縮され新鮮なものが届きます。日持ちも冷蔵庫で14日、冷凍庫で3ヶ月と長期保存がききます。

メニューは栄養士と小児科医監修のもと作られており、栄養価の高いスーパーフードも積極的に取り入れています。また、離乳食初期から、幼児食のプレートまでバリエーションも豊富にあります。

サブスプリクションは2週間毎の最小14ロットとなるので、1日1食分からオーダーでき、ロットが大きいほどお得になります。もし余ってしまったとしても冷凍保存ができるが良いですね。

*Little Spoonのメリット

  • コールドプレスなので新鮮。
  • 栄養価に優れている。
  • 豊富なバリエーション。(幼児食あり)
  • 冷凍庫で長期保存できる。
  • サブスプリクション制なので、購入が楽。
  • 価格が良心的。(1個4oz : $3)
  • オーダーの変更が72時間前までできる。

*Little Spoonのデメリット

  • サブスプリクション制なので、登録など手続きが必要

避けた方が良いベビーフードブランド

  • Gerber
  • Beech-Nut
  • HappyBABY
  • Earth’s Best Organic
  • Walmar Parent’s Choice
  • Sprout Organic
  • Plum Organics

有毒重金属における最新のテストにてベビーフードの大手メーカーが調査対象となりましたが、そのすべてのブランドにおいて大量の汚染物質が発見されています。(一部のメーカーはテストを拒否)

アメリカのスーパーのベビーフードコーナーに並んでいるブランドのほとんどが赤ちゃんにとって悪影響があるとの事実が発覚し、大きなニュースになったので、これらのメーカーは信用を取り戻すのに時間がかかりそうですね。

子どもたちの脳の発達や健やかな成長のためにも、これらの大手ベビーフードメーカーが問題と向き合い改善することで、より良いベビーフードのスタンダードができるといいなと願っています。

より安全なベビーフードを与えるために

アメリカでの子育てにおいて、特に”食事“に関しては、食文化が違う上、手に入る食材なども日本とは異なります。特に魚の種類は豊富ではないですし、食の安全についても気になりますよね。

オーガニック食材を使って手作りするのが良いことが前提ではありますが、市販のベビーフード(質の良いものに限る)には多種多様な食材と栄養素が含まれているのでメリットもあるのです。

特に幼い子を持つ親として、ベビーフードに汚染物質が検出されたこともあり、より敏感になっていることかと思いますが、最後に正しく安全な選択をするための秘訣を紹介しますので、参考になれば幸いです。

ベビーフードの選び方

  1. 商品のラベルをよく見る。(原材料:多く含まれている順に書かれている。成分表:栄養素FiberやProteinとSugarの量をチェック!)
  2. なるべく野菜ベースのパウチやベビーフードを選ぶ。(砂糖の量が少ない。)
  3. Concentrated juiceの表示に注意。(不必要な砂糖が含まれています。)
  4. 原材料に汚染物質の影響を受けやすい食材が入っているものを避ける。(米、サツマイモ、人参、フルーツジュース)
  5. 代わりになる食材(米→オートミール、キヌア 、人参&スイートポテト→バターナッツスクワッシュやパンプキン)
  6. 信頼度の高い安全なベビーフードブランドのものを購入する。(上記参照)

上記で紹介したベビーフードは現時点でとても信頼できるブランドとなっています。従来のものより値段が高くはなりますが、それだけ価値のあるものだと思います。無理のない範囲でぜひ取り入れてみてください。