アメリカで野菜や果物を買う際、なるべくオーガニックを選ぶ人も多いかと思いますが、割高であるため現実的にすべてオーガニックを買うことは不可能かもしれません。
オーガニックであれば残留農薬の心配はほぼありませんが、実は野菜や果物の種類によって残留農薬のレベルも異なるため、残留農薬が少なければ必ずしもオーガニックである必要はないのです。
野菜や果物の残留農薬レベルを知ることで、安全でより賢い買い物ができるかと思います。そこで、今回は残留農薬の多い、また少ない野菜&果物ランキング「Dirty Dozen, Clean 15」を紹介します。
Dirty Dozen / Clean 15 とは?
アメリカの環境保護団体Environmental Working Group(EWG)が毎年発表している「Dirty Dozen/Clean15」は、米国農務省からの46の野菜と果物における44,702のサンプルデータに基づき、分析しています。
また、各サンプルは全て残留農薬テストをする前に皮をむき洗浄しています。その上で農薬がどれだけ残っているのか、またゼロに近いのかを調べ発表しています。
アメリカの農作物に関してのデータなので、日本のものに該当するかは今のところ不明ですが、特に冷凍の野菜や果物は多く輸入されているので日本在住でも知っておくと安心です。
Dirty Dozen(残留農薬の多いワースト12)
- いちご
- ほうれん草
- ケール (コラード、マスタードグリーン)
- ネクタリン
- りんご
- ぶどう
- パプリカ、唐辛子
- チェリー
- もも
- 洋なし
- セロリ
- トマト
Dirty Dozen(ダーティーダズン)
ダーティーダズンとは直訳すると「汚染された12」全ての野菜&果物の中から、特に残留農薬の多いものを12ピックアップしています。これらは、可能な限りオーガニックを選ぶことをオススメします。
近年いちごとほうれん草はもはやダーティーダズンの常連、毎年のようにトップを独走しています。この二つ、葉酸や鉄分など栄養豊富なので特に妊婦にとっては必須ですよね。
アメリカでは日本のほうれん草とは少し異なるベビースピナッチが主流ですが、オーガニックの方が市民権を得ている印象です。生のままサラダやスムージーにも使えるので私も毎週のように買っていました。
小さな子どもと妊婦は要注意!
農薬は小さな子どもほど影響を受けやすいですが、例えば妊婦が農薬を体の中にたくさん取り入れた場合も、胎児の発育中の内分泌系に影響を与えて発育の成長、生殖、代謝も妨げる可能性があります。
よって、赤ちゃんや小さな子どもはもちろん、妊婦もなるべくクリーンな栄養を摂取したいですね!せっかく一生懸命に野菜や果物で栄養補給しても、農薬を大量摂取していたら本末転倒です。
レーズンも残留農薬が多い!?
Dirty Dozenには、加工品であるレーズンはランキングに入っていませんが、実はレーズンは残留農薬が非常に多いのです。670のサンプルのうち、なんと99%に2種類以上の残留農薬が検出されたそうです。
また、670のサンプルを平均すると13種類以上、最多は26種類の農薬が含まれており、もしレーズンをDirty Dozenに加えるとしたら、残留農薬ランキングは間違いなくNo.1なのだそうです。
レーズンは食パンを作る時に使用したり、子ども達の大好物なのでよくおやつに出していました。(実はアメリカのおやつの定番!)レーズンもやはりオーガニックを選ぶべきですね!
Clean15 (残留農薬の少ないベスト15)
- アボカド
- とうもろこし
- パイナップル
- 玉ねぎ
- パパイヤ
- 冷凍グリーンピース
- アスパラガス
- メロン(ハニーデュー)
- キウイ
- キャベツ
- マッシュルーム
- マスクメロン(キャンタロープ)
- マンゴー
- スイカ
- サツマイモ(スイートポテト)
Clean 15(クリーン15)
クリーン15はその名の通り「キレイな15」農薬などに汚染されていない野菜や果物という意味です。残留農薬が少ないものを15ピックアップしています。これらはオーガニックでなくてもほぼOKです。
これら15の野菜と果物は残留農薬が少なく、サンプルのほぼ70%には、残留農薬が検出されなかったようです。また、4年連続1位のアボカドととうもろこしに関しては検出農薬は2%未満だそう。
クリーン15の野菜と果物は、皮が分厚くむいて食べるものが多い印象ですね。これらに関しては、オーガニックにこだわらなくても比較的安心して食べることができるかと思います。
しかし、とうもろこしは、農薬残留も少なくとても良いのですが、遺伝子組み換えの可能性が非常に高いので、気になる場合はやはりオーガニックを選ぶことをオススメします。
ホールフードに勝るものはない
アメリカではダーティーダズンが一般にも広く認知されるにつれ、「経済的にオーガニックを買うのは無理、だったら”汚染された農産物”はもう買わない!」という人も出てきたそう。
「いちごには残留農薬が多いから、その代わりにいちご味のグミを食べる!」これは、極端な例ではありますが、加工品よりか野菜や果物といったホールフードの方が断然ヘルシーです。
残留農薬が多くても、加工品よりは栄養豊富なのは明らかなので、工夫してホールフードを食べることが重要です。野菜や果物の農薬を落とす方法を紹介するので参考にしてみてください。
自宅で簡単に農薬を落とす方法
1. 塩+水
ヒマラヤンソルトか海塩を使用して10%の食塩水を作ります。(1リットルの水に対し、約112gの塩) 20分浸した後、洗い流す。
2. 重曹+水
1リットルの水に対し、小さじ2の重曹を溶かします。15分浸した後、洗い流す。
3. 酢+水
酢と水を1:4の割合で酢水を作ります。(1リットルの水に対し、酢250ml) 20分浸した後、洗い流す。※ベリー類は長時間浸すとねっとりするので注意!
よりヘルシーな選択を!
アメリカでは土地が広大な分、オーガニックでない場合は非常に多くの農薬を使用しています。また、それらは発がん性の疑いがあり、使用禁止の国もあるほどです。
Dirty Dozenの12の野菜や果物はなるべくオーガニックを選び、そうでない場合は上記の方法でよく洗いましょう。Clean15であれば必ずしもオーガニックである必要はないので、心地よい選択をしましょう!
愛を込めて…
Noriko