アメリカでの卵の選び方

アメリカのスーパーマーケットはどこもかしこも広い上に棚にはたくさんの種類の商品が並んでいます。

卵も例外ではなく、種類や大きさなどによって様々で値段もピンキリです。

私も初めてアメリカに来た時には、卵の種類の多さとパッケージの表示に戸惑い、何を選べば良いのか分からず結局何も買わず帰って来たこともありました。

アメリカの卵は生では食べられないと良く聞きますが、やはり日本と比べてこの国は広いので、ローカルではないものなら尚更、鮮度は落ちるのだと思います。

また、アメリカで売られている卵の95%はバッテリーケージと言われるケージの中で育った鶏から来ており、そのほとんどが日常的に抗生物質を使用されます。

100,000羽もの鶏を一つの倉庫に閉じ込めることができ、一羽あたりのスペースは67平方インチ(MacBookよりも小さいスペース)と言われており、鶏は羽を動かしたり広げることもできずに一生をその環境で過ごすことになります。

そこで、今回はアメリカでの卵のパッケージの解説とよりヘルシーで人間、鶏、地球に優しい卵の選び方を紹介します。

卵の種類

まず卵のパッケージをみると書かれているワードに注目して見てましょう。

“vegetarian fed”, “all-natural”,”farm fresh”, “no added hormones”, “hormone-free”

一見、とても良さそうなワードですが、それに惑わされてはいけません。

例えば、vegetarian fedはベジタリアンと聞くと健康的なイメージを持つかも知れませんが、鶏は雑食で草などを食べると同時に虫などが大好きなのです。

vegetarian fedということは鶏にとって”不自然なものを食べさせられている可能性がある”ことや”牧草などの自然の中で育っていない”ということを意味するのです。

また、no added hormonesやhormones-freeという表記に関しては、そもそも鶏へのホルモン投与は禁止されていることなので、全ての卵がNo added hormonesです。もはや特に表示すべきワードではないそうです。

さらに、all naturalとfarm freshに関しては全く意味のない表記なので、特に気にしなくても大丈夫です。

Cage free

一番紛らわしい表示がこの“cage free”。USDAによって規制されているのですが、これの意味は”鶏がケージの中で生活していない”という事です。

なので、実際には鶏がどれくらいのスペースにいるのか、というところが不透明で、外の世界を見ることはなく、通常これらの鶏はバーンなどの屋内で生活しており、もちろん屋外(野外)へのアクセスはありません。

また、ケージフリーの施設はケージのある施設よりも鶏同士の暴力が多く、空気も悪いとも言われています。

cage free でかつHFAC認定されている卵(Certified Human)であれば、一羽の鶏に対して1.5平方フィートのスペースが与えられていることになります。

Free range

“free range”とは放し飼いと言う意味でUSDAによって規制されています。これは鶏の屋外へのアクセスが許可されていることを意味します。

がしかし、この屋外の定義ははっきりしていないため、実際には”生活している屋内から出ることができる”という意味なので、セメントだけの場所や土と少しの草でできた場所の場合もあります。実際に太陽に光を浴びたり、外の空気を吸っているのかは謎です。

free rangeの表示があれば一羽の鶏につき最低2平方フィートのスペースが屋外に確保されていることになります。

Pasture raised

“pasture raised”とは牧草飼育という意味ですが、USDAによって規制はされていません。108平方フィート(屋外で女性が自由に歩き回るのに十分なスペース)が確保されています。また、もちろん屋外だけではなくバーンへアクセスすることもできます。

また牧草飼育なので鶏は太陽の光を浴びながら自由に動き回り、新鮮な食物を手に入れることができます。

Organic

“organic”はUSDAの定めた定義によると、遺伝子組換えや農薬、化学添加物などを使っていない有機飼料のみで育った鶏の卵を意味し、抗生物質の使用が制限されています。

また、屋内を自由に歩き回り、屋外にもアクセスできるケージに入っていない鶏が生産する卵。ただし、屋外とはいえ実際に外に出ているかは曖昧なのですが、基本的には牧草地に鶏がアクセスできる環境があればオーガニック表記ができるそうです。

Certified Humane

パッケージにこの表示を見つけたら、非営利団体HFAC(Human Farm Animal Care)の認定を受けているという意味です。

この団体は動物の権利を守るために飼育環境などに対して厳しい基準を設けているので、信頼度が高いです。

鶏の餌や水、建物、床、電気や空気などから、Free rangeやPasture raisedに関しても外の環境や出入口、日陰があるかなど、鶏が健康にハッピーに暮らせる環境が整っているかが審査基準になります。

結局どの卵が一番良いの?

 

アメリカの卵事情を知った上で、私達がより安心して食べることのできる健康な卵はどれでしょうか?

Organic +Pasture raisedの表記があるもの。これらの表記があり、さらにローカルのものであれば最高です!!

もし、ファーマーズマーケットなどで生産者と話す機会があるのであれば、どのような環境で生産された卵なのかを聞いてみると良いです。そのような小さなファームで育つ鶏のローカル卵もオススメです。

値段的に迷うのであれば、Organic +Free Rangeの表記のものでも良いと思います。いずれにせよCertified Humanの表記があるとさらに信頼度も増すのでオススメです。

ぜひアメリカでの卵選びの参考にしてみてくださいね!!

 

 

愛を込めて…

Noriko