ハロウィンで避けるべき「○○使用」のお菓子

10月といえばハロウィン!アメリカはもちろん日本もハロウィンに浮き足立ってます(うちの子達だけ!?)。また、店頭にはハロウィン用の特別なパッケージのお菓子がたくさん並んでいますね!

可愛らしいパッケージにカラフルな色のお菓子は、子ども向けのはずですが、原材料をチェックしてみると、子どもには与えるべきではない添加物が入っているものもちらほら見かけました。

その中でも一番避けたいと思うものが「合成着色料」です。そこで、今回は最も子どもに与えたくない添加物である「合成着色料」について詳しく解説していきたいと思います。

着色料とは?

着色料はその名の通り、食品を着色するための顔料です。食品のみならず化粧品にも同じものが使用されます。食品添加物には保存性を高めるなど様々な役割がありますが、着色料の役割は「着色」のみです。

着色料は主に2種類。人工的に作られた「合成着色料」と自然界に存在する「天然着色料」がありますが、食品添加物として使用するのを認められている着色料は各国によって異なります。

合成着色料

合成着色料は、タール系色素とも言われる通り、元々コールタールを原料としていましたが、発がん性があることが初期から知られており、現在は「石油」を原料にして作られています。

えっ!?石油、、、?そもそも石油なんて食べられるの?と思いますが、現在日本では「危険はなく安全である」として、下記12品目のタール系色素が合成着色料として使用が認められています

  • 赤色2号
  • 赤色3号
  • 赤色40号
  • 赤色102号
  • 赤色104号
  • 赤色105号
  • 赤色106号
  • 黄色4号
  • 黄色5号
  • 緑色3号
  • 青色1号
  • 青色2号

天然着色料

日本人は食を五感で楽しむことを大切にしており、食品の色に対しても古くから使用してきていますが、自然の色を好む傾向があることから、比較的多くの天然着色料を使用しています。

最も身近なものとしては、お節料理の定番でもある栗きんとんに使用されている「クチナシ黄」です。鮮やかな黄色はクチナシの果実が原料となります。天然着色料は素朴な色でありますが、多く存在しています。

合成着色料より色彩が劣るものもありますが、天然着色料だけでレインボーカラーを作ることが可能です!しかし、合成着色料の方が安価で扱いやすいことから使用する食品メーカーも多いのです。

  • ビートレッド(赤色)…ビートの根
  • ベニコウジ色素(赤色)…紅麹カビが生産する色素
  • パプリカ色素(赤色)…パプリカ
  • クチナシ色素(黄色)…クチナシの実
  • ウコン色素(黄色)…ウコンの根茎
  • ブドウ色素(赤紫色)…ブドウの果皮
  • ムラサキイモ色素(紫赤色)…紫芋
  • スピルリナ色素(青色)…藻類スピルリナ
  • クロロフィル(緑色)…植物や藻類

合成着色料は本当に安全!?

上記で示した通り、着色料には合成と天然の2種類がありますが、注意すべきはもちろん「合成着色料」です。石油が原料って本当に大丈夫!?日本では安全とされているけれど、海外ではどうなのでしょうか?

実際、日本で認可されている合成着色料のいくつかは海外では"使用禁止"になっています。更に、着色料大国のアメリカよりも実は日本の方が多くタール系色素の使用が認められています。(アメリカは9品目、日本は12品目)

そして、合成着色料が人体に与える影響として、「発がん性が認められる」ことが研究で分かってきています。また、遺伝子損傷や染色体異常、アレルギーや肝臓疾患、子どもの発達発育や行動への影響など指摘される危険性は多岐に渡ります。

それぞれの合成着色料が私たちや子ども達にどのような影響を与える可能性があるのか、また海外ではどのように扱われているのか、詳しく見ていきたいと思います!

合成着色料の危険性と使用食品

赤色2号(Red #2)

使用食品:いちごシロップ、ゼリー、シャーベット、アイスクリーム、ジュースなど。

発がん性が高く、染色体異常のリスク、不妊や死産の原因との指摘があり、アメリカや韓国では使用禁止

赤色3号(Red #3)

使用食品:かまぼこ、福神漬け、和菓子など。

発がん性やアレルギー、染色体異常のリスク。ドイツ、ポーランドで使用禁止

赤色40号(Red #40)

使用食品:キャンディ、チューインガム、アイスクリーム、ジャム、ジュース、アルコール飲料など。

発がん性の疑い、発達障害、ADHDなど子どもの発育や注意行動に影響する可能性があることが、最近の研究で明らかになってきている。

イギリスとスイスでは使用禁止。EUでは「子どもの行動と注意力に影響を与えるかもしれない」との注意書きが義務化。

赤色102号(Red #102)

使用食品:紅ショウガ、福神漬け、ハム、ソーセージ、たらこ、明太子、佃煮、タコ、ジャム、キャンディ、和菓子、洋菓子、ジュースなど。

発がん性やアレルギーの疑いにより、アメリカやカナダでは使用禁止!また、イギリスではADHD(注意欠陥・多動性障害)の原因になる恐れがあるとして自主規制されています。

赤色104号、赤色105号、赤色106号(Red #104,105,106)

使用食品:桜デンプン、桜エビ、かまぼこなど。

これら3つの合成着色料は主にピンクの着色のために使用されていますが、細胞の突然変異や肝臓の異変、発がん性への疑いにより、日本以外の国ではほぼ使用禁止!(いまだ使用しているのは日本くらい)

黄色4号(海外ではYellow #5)

使用食品:和菓子、焼き菓子、キャンディ、ゼリー、ジュース、シロップ、漬物、うに、数の子など。タール色素の中で最も多用されている着色料。

染色体異常や蕁麻疹、喘息などのアレルギーを引き起こす可能性があるとしてノルウェーやオーストリアでは使用禁止!EUでは添加した食品に「健康上の懸念」の警告ラベルを付けることが義務付けられている。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の原因にもなりうるとして、イギリスでは自主規制(事実上の使用禁止)されている。

黄色5号(海外ではYellow #6)

使用食品:菓子類、ジュースなど。

発がん性の可能性があるとしてノルウェーやフィンランドでは使用禁止!黄色4号と同じく、アレルギー症状や子どもの発育や発達、行動への影響が懸念されている。

EUでは「子どもの行動と注意力に影響を与えるかもしれない」との注意書きが義務化され、イギリスでも使用の自主規制=事実上の使用禁止

緑色3号(Green #3)

使用食品:菓子類、メロンソーダ

ヨーロッパでは使用禁止!ADHDを含む子どもの多動性などへの関連性が懸念され、子どもの健康に影響を与える可能性があるといくつかの研究で証明されている。

青色1号(Blue #1)

使用食品:菓子類、ジュース、かき氷シロップ(ブルーハワイ)など。

発がん性が認められたため、ヨーロッパでは使用禁止!蕁麻疹やくしゃみなどのアレルギー症状との関連もあり。

青色2号(Blue #2)

使用食品:和菓子、焼き菓子、チョコレート、シャーベットなど。紫系の青色!

発がん性の疑いとともに、子どもの多動性の高まりが懸念されている。

アメリカで物議を醸した着色料!

少し前にアメリカの人気菓子「Skittles」が訴えられたというニュースがありましたが、その理由が「Skittlesの原料に毒素として知られるニ酸化チタンを使用しているため、人間の食べるものとしてふさわしくない!」というもの。

このニ酸化チタン(Titanium dioxide) は白色の着色料で、主にホワイトチョコレートや白の着色に使用されます。日本やアメリカはもちろん世界中で食品添加物として普通に使用されてきました。

今まで各国で使用されていた「二酸化チタン」がなぜ"毒素"と言われ、アメリカで大人気のお菓子が「二酸化チタンを使用している」という理由で訴えられたのでしょうか??

二酸化チタンはもはや安全ではない!

IRAC(国際がん研究機関)では「二酸化チタンの発がん性は極めて高い」と示しており、アメリカがん学会でも「発がん性リスクの高い物質の一つ」としています。

また、2021年には欧州食品安全機構において、二酸化チタンに遺伝子毒性と発がん性が疑われるため、「食品添加物として、もはや安全とはみなされない」と発表されました。

そして、EUでは食品添加物として二酸化チタンを使用することを禁止し、2021年8月以降に完全に施行されています。しかし、アメリカ、日本ではいまだに使用が認められています。

二酸化チタン(白色)

使用食品:ホワイトチョコレート、キャンディ、マシュマロ、チーズ、ヨーグルトなど。

遺伝子毒性、発がん性が疑われるためEUでは使用禁止

合成着色料における日本と海外の温度差

ヨーロッパなどではすでに使用禁止となっていたり、使用する場合には「健康上の懸念」をラベルすることが義務付けられるなど、合成着色料はお酒やタバコ同様に注意すべきものになっています。

しかし、日本(アメリカも!)では合成着色料に対して厳しい規制はいまだなく、危険性に関してもあまり話題にならない上、安全として認可されているため、様々な食品に使用されています。

美食の国フランスを筆頭に世界で最も進んだ食品安全の取り組みをしているEUでは、予防原則に従って、「疑わしきは排除」の姿勢であり、少しでも不安要素のあるものは禁止にしています。

一方で、アメリカや日本では「疑わしきは罰せず」の姿勢が強いため、科学的に因果関係が証明されない限り、いくつかの研究で出た結果だけではなかなか禁止までいかないようです。

食に対する国民の意識の違い!?

フランスでは学校給食や病院食をオーガニックにするという法律が施行されたように、国民の食の安全に対する意識が高く、自国の食文化や農作物を大切にする国民性があるように思います。

また、フランスの食料自給率(カロリーベース)は127%で、自国で生産される"安全なものこそ美味しい"という考え方が国民の根底にあるため、広告などに惑わされることなく、正しい食の選択ができるのではないかと思います。

私たち日本人も世界に誇る「和食」という素晴らしい食文化があり、出汁が象徴するように本来は繊細な舌と食へのこだわりを持っていますが、食生活は欧米化し、ファストフードや添加物が身近なものとなりました。

実際に、日本の食料自給率は38%と先進国の中でも極端に低く、食生活の変化に伴い輸入品や"安くて美味しい"が流行り、大量の食品廃棄を横目に、食の安全に関しては無関心な人が多いのかもしれません。

合成着色料不使用のカラフルお菓子

日本は消費者の食の安全に対する意識が低いように思いますが、大手コンビニを筆頭に「合成着色料不使用」に舵を切っており、国内の菓子メーカーも子ども向けのお菓子には天然着色料を使用するケースが多いです。

合成着色料に関しては、パッケージの裏(原材料)を見て判断するしかないですが、市販のカラフルなお菓子で合成着色料不使用だと確認できたものをいくつか紹介します!

  • ハリボー ゴールドベア
  • 明治 果汁グミ
  • 不二家 アンパンマングミ
  • 明治 マーブルチョコレート
  • 不二家 ポップキャンディ
  • 江崎グリコ ポップキャン
  • 無添加 クッピーラムネ     etc…

※一般のスーパーなどで購入できる「合成着色料不使用のお菓子」です。完全無添加ではありません。

合成着色料使っているお菓子

  • m&m’s ミルクチョコレート
  • UHA味覚糖 リンググミ
  • 金平糖
  • 色鮮やかな駄菓子        etc…

スーパーなどで売られている子ども向けの国内菓子メーカーのお菓子はほぼ合成着色料不使用ですが、輸入菓子や駄菓子には高確率で合成着色料が使用されています

昔懐かしの駄菓子、、、フルーツの森などカラフルでキラキラしたお菓子に魅了されて子どもの頃食べていました。まさか体に悪いとは!コスト的に厳しいかもしれませんが、天然着色料に変更されることを願います。

合成着色料不使用という選択!

これだけ合成着色料の危険性が叫ばれているにも関わらず、まだまだ日本やアメリカでは多岐に渡り使用されています。アメリカは一目瞭然で使用が分かりますが、日本は分かりにくいものも多いです。

また、子ども向けのお菓子や子どもに大人気の某アイスクリーム、誕生日ケーキなどにも使用されているので、大人が知識と責任を持って"ヘルシーな選択"をすることが大切だと思います!

子どもの健康と安全のためにも「合成着色料不使用を選ぶ」選択をする人が増えれば、安全でより良い食品が増えることにも繋がるので、まずはここから始めてみるのはいかがでしょう。

 

 

愛を込めて…

Noriko