アメリカでお食い初め

我が家の長女が生後100日を迎えたので、お食い初めをしました。

長男の時は一時帰国の際に日本で行なったので、今回がアメリカでの初めてのお食い初め。さらに前回は両家が集まってお店で行なったため、自宅で手作りで用意するのは初めてになります。

アメリカでどのように準備して行なったのか、お食い初めについてまとめました。

お食い初めって何?

まず、お食い初めとは生後100日から120日頃に『一生食べるものに困らないように』と願いをこめて食事する真似をする儀式です。なんとこの儀式は平安時代から行われてきたものだそうです。家族や親戚が集まって食事をしながら、赤ちゃんに食べさせる真似をして、健康と長寿を願います

お食い初めの献立『一汁三菜』

・ご飯(赤飯や白飯):赤飯には厄払いの意味があり、邪気を払って縁起が良いとされている。

・汁物(お吸い物):吸う力が強くなるという意味。特にはまぐりは滋養に良い縁起物として選ばれる。

・煮物(旬の食材):芋は子宝に恵まれるように、筍や蓮根のようにすくすく育ち見通しの良い人生を願う。

・香の物(お漬物、梅干し):「幸(こう)」にかけて、旬の野菜の漬物や紅白なます。

・尾頭付きの焼き魚(鯛):「めでたい」語呂が良い鯛は縁起の良い紅白の色だけでなく寿命が長い魚。

・歯固め石(神社の石、梅干し):石のように丈夫な歯。梅干しのようにシワシワになるまで長生きするという意味。

お食い初めの器

本格的にお食い初めをするの場合には、うるし塗りの食器『漆器』を使用します。

私は出産の際に手伝いに来てくれた母に日本から持って来てもらいました。私自身はもちろん私の姉妹も使った漆器です。30年以上前のものにも関わらずとても綺麗な状態でした。やはり良いものは長持ちしますね!

最近では離乳食でも使えるように、竹や木などからできた器も人気のようですが、漆器はそれだけで見た目が華やかかつ厳かな雰囲気になるので個人的には用意してよかったなぁと思っています。

お食い初めのやり方

さて、お食い初めの儀式についてですが食べさせる順番も決まっています。

『ご飯→汁物→ご飯→魚→ご飯→汁物』この順番で三回繰り返します。もちろん赤ちゃんはまだ食べることはできないので、食べさせる真似をするだけです。

最後に『歯固めの儀式』を行います。歯固めの石に箸をちょんちょんとつけてから「丈夫な歯が生えてきますように」と願いを込めて、赤ちゃんの歯茎にちょんちょんと箸の先を優しく当てて終了です。

鯛はホールフーズで調達


鯛がなきゃ始まらない!ということで、色々なスーパーマーケットで探していましたがホールフーズで見つけました。天然鯛。しかもものすごく大きいのです。ちなみに鯛は英語でRed Snaperと言います。

値段を見て、「えっ?この大きさでこの値段!?安くない?さすがアメリカ!」と思った私。

もちろん量り売りです。笑 アメリカのスーパーは野菜や果物、肉魚はほぼ量り売りなので、その場合は1lb(1パウンド)あたりの値段が表記されています。

お目当の鯛の値段を店員さんに聞くと、計って値段を教えてくれます。ちなみに$60ほどでした。(量り売りなので値段は前後するかと思います。まずは聞いてみるといいですね。)頭はついたままウロコをとって内臓等を取り除いて下処理もやってくれました。

鯛の調理方法

1、鯛の片面に大きなばってんの切り込みを入れる。(焼いた時に皮が縮んで破れないように、また火を通りやすくするためのひと手間。)

2、鯛の表面(両サイド)にたっぷりの塩を塗り込む。

3、20分ほど置いた後、余分な水分を拭き取る。

4、ひれと尾の部分にアルミホイルをかぶせ、もう一度塩をふりかける。

5、400℉に予熱したオーブンで、1時間ほど焼く。(だいたいこれくらいで中身まで火が通ります。あとはお好みの焼き加減になるまで焼く。)

※オーブンによって火加減は異なるので様子を見ながら調整してみてください。

 

我が家の祝膳

・ご飯:母に日本から持ってきてもらい赤飯を炊きました。

・汁物:はまぐりは手に入らなかったので、母乳に良いほうれん草と豆腐のお味噌汁にしました。

・煮物:蓮根、人参、じゃがいも、椎茸、エビなど具沢山の煮物。(2歳児息子の大好物)

・香の物:漬物は作る時間がなかったので、手に入りやすく簡単にできる人参と大根の紅白なます。

・鯛の塩焼き:下処理済みの天然鯛をオーブンで塩焼き。

・歯固めの石:用意できなかったので、梅干しと実は石風の箸置き(雰囲気だけでも)

食材はだいたい手に入りますが、根菜類(レンコンやゴボウなど)はあまりアメリカのスーパーには置いていないので、日系スーパーやアジアンスーパーで購入しました。

鯛は天然鯛なだけあって、身がしっかり詰まってとても美味しかったです。量が多く食べきれなくてもほぐした身を冷凍保存したり、お頭で出汁をとったり、有効活用できるので無駄なく食べられますよ。ちなみに私は残った鯛で炊き込みご飯を作りました。

一生に一度のお食い初め。アメリカにいるからこそ日本の伝統行事は大切にしたい。できる範囲でできることをやれば良いと思います。また、アメリカならではの規格外の大きな鯛を購入するのはコスパも良くオススメです!

 

 

 

愛を込めて…

Noriko