「ダークチョコレートは健康に良い」というのは近年の"常識"でもあり、ミルクよりダークを選ぶ人、また普段お菓子を食べない人でもダークチョコレートならOKとしている人も多いかと思います。
実際に、さまざまな研究でチョコレートの原料でもあるカカオに美容と健康に良い効果があるということが証明されています。よって、特にカカオ70%以上のダークチョコレートは優秀スイーツとも言われているのです。
がしかし!このダークチョコレート最強説が覆るような新事実が話題になっております。そこで、今回は知りたくなかった衝撃の事実をふまえてダークチョコレートについて解説していきたいと思います。
実はダークチョコレートは体に毒だった!?
以前、アメリカのベビーフードから有毒重金属が検出された件について紹介しましたが、なんと同じようにダークチョコレートにも有害な重金属が多く含まれていることが以前から騒がれています。
そして、この有害な重金属とは「カドミウムと鉛」です。カドミウムは猛毒として知られ、体内に入ると骨粗しょう症、腎臓の機能障害、肺や乳、膀胱などのがんの発症リスクを高めるとともに生殖機能への悪影響があると言われています。
鉛もまた発がん性や神経障害に関連があるとされ、これらの重金属は摂取してから長い間肺や腎臓に蓄積するため、一度体内に入るとすぐには排出されずに時間をかけて私達の体を蝕む原因にもなることが猛毒とも言われる所以です。
アメリカの有名チョコレートに重金属!
アメリカの非営利団体As You Sowは469を超えるチョコレートをテストした結果、285のチョコレートに基準値を超える警告レベルのカドミウムと鉛の両方、もしくは一方が含まれていることが判明しました。
これらの基準は、カリフォルニア州法の生殖機能障害を引き起こすとして警告表示が規定されているMaximum Allowable Dose Levels (MADLs)という生殖毒性物質の最大許容レベルに基づいています。
問題視されたチョコレートは、日本人にも馴染み深いStarbucksにGodivaやLindtから、アメリカで有名なHershey’sにSee’s Candy、またTreder Joe’sにKroger、Whole Foodsのオリジナルブランドなど多岐に渡ります。
さらなる最新の調査結果!
アメリカの有力専門誌Consumer Reportsによる最新の調査では、ランダムに選んだチョコレートブランド28種類のうち23種類のダークチョコレートに比較的高いレベルの重金属が含まれていることが分かりました。
今回選ばれたのは、これまた日本でも有名なLindtやGodivaを始め、アメリカで人気のGhirardelliやDove、Hershey’s、Chocolove、またTheoやGreen & Black’sなどオーガニックチョコレートも含まれています。
これまでの調査と同様に、今回選ばれたものもすべて”ダークチョコレートの板チョコ”になります。それは、重金属がカカオに含まれているため、高カカオのものが重金属の含蓄率が高くなるからです。
News:アメリカのメーカー4社に重金属含有量削減を勧告!
最新ニュースで、ダークチョコレートの調査を行ったConsumer Reportsがアメリカの有名チョコレートメーカー4社に、ダークチョコレートのカドミウムと鉛の含有量を減らすよう勧告したことが明らかになりました。
対象になった4社とは、ハーシーズで有名なHershey Co 、オレオの会社でチョコレートも多種類販売しているMondelez International Inc 、オーガニックチョコレートのTheo Chocolate、みんな大好きTrader Joe’sです。
アメリカに住んでいる人には分かると思いますが、この4社は誰もが知る商品であり企業です!さらに、書簡には5万5000人近くの嘆願署名も添えられたそうです。ここからチョコレート業界も大きく変わりそうですね!
なぜカカオに重金属が含まれるのか?
カカオ豆における研究では、カカオの木が土壌からカドミウムを吸収し、木が成長するにつれてカカオ豆に蓄積すること、また、鉛に関してはカカオ豆自体にではなく、外殻に付着しているということが分かったそうです。
実はこれはカカオ豆だけではなく、さつまいもやほうれん草、人参など他の食品にも同じことが言えるのです。(これがアメリカのベビーフードから大量の重金属が検出された理由の一つ!)
このように私たちは普段の重要な栄養源となる食品からも少しずつ重金属を体に取り入れている可能性があるため、チョコレートなどの嗜好品による重金属の大量摂取はなるべく避けたいところです。
安全なダークチョコレートとは?
カカオ豆は色々な地域で生産されていますが、その地域によって土壌の状態は異なります。また、カカオの名産地でもある中南米やカリブ海では比較的カドミウムの量が多いことが分かりました。
そこで、カドミウムの数値が高い地域と低い地域の多種類のカカオ豆を混ぜることによって重金属の軽減が可能になるので、これが現時点での最も安全なダークチョコレートを製造する取り組みです。
また、鉛に関してはカカオ豆の収穫や洗浄、焙煎など各工程において汚染除去や空気との接触を抑えるなどの努力で、鉛の含有率も下げることが可能なので、今後の各メーカーによる改善が期待できます。
ダークチョコレートVSミルクチョコレート
ここまでのダークチョコレートのダークな面を見てきて、健康や美容に良いからダークチョコレートを食べてきたけど、(私も絶対カカオ70%以上を選んでいました!) 結局はミルクチョコレートの方が良いんじゃないの?と疑問が湧いてくるかもしれません。
確かに重金属に関してはカカオが少ない方が含有量も少ないことが分かっているのでミルクチョコレートの方がより安全です。とはいえ、ミルクチョコレートが良いよ!と大きな声で叫ぶ気にはなれないのが正直なところ、、、
ダークチョコレートの方がもちろん砂糖の量は少なく、食物繊維が豊富でアンチエイジングに効果的なポリフェノールも含まれていますが、食べ過ぎは禁物!どちらにせよ嗜好品としてほどほどに楽しむのが良いですね。
ベストなチョコレートの選び方!
結局は自分でベストなチョコレートを選ぶことが重要だと思います。しかも、この重金属の問題に関してはオーガニックを選べば安全というわけでもないのが非常にややこしいところです。
それでも私はミルクチョコレートよりダークチョコレートを支持します。そして、ベストなチョコレートとは結局のところ「重金属含有量が少ないダークチョコレート」ではないでしょうか!?
そこで、過去の調査で判明した重金属の含有量の少ないダークチョコレートを知っておくのが一番かと思います。ぜひ下記を参考にしてみてください。(As You SowとConsumer Reportsの調査より)
安全なダークチョコレート6選!
- Mast Organic Dark Chocolate 80% Cocoa
- Ghirardelli Intense Dark Chocolate 86% Cacao
- Valrhona Abinao Dark Chocolate 85% Cacao
- Taza Chocolate Organic Deliciously Dark Chocolate 70% Cacao
- Ghirardelli Intense Dark Chocolate Twilight Delight 72% Cacao
- Ritter Sport Dark Chocolate 81 Cacao Extra Intense with Cacao from Ghana
これらは現時点でのアメリカにおける安全なダークチョコレートです。今後、各チョコレートメーカーが重金属の問題に取り組み、安全なダークチョコレートが増えることを願っています、、、(これを機にきっと増えるはず!)
チョコレート革命が始まる!
ダークチョコレートが美容と健康に良い効果がある一方で重金属の問題が新たに浮上したことで、カカオの栽培からチョコレートの製造過程まで新たに見直すとともに、地球規模で考えるきっかけになると思います。
これまでもチョコレートにおいては、フェアトレード、ビーントゥーバーなどさまざまな革命が起きてきましたが、今後もまだまだ改善の余地があり安全性においても期待ができるのではないでしょうか。
ダークチョコレートについては、メリット、デメリットはありますが、私たちを魅了する食べ物であることは間違いない!(私は無類のチョコ好きです。笑) 可能な限り良いものを選んで、少量を楽しみましょう!
愛を込めて…
Noriko