2021年に入り、1ヶ月が経ちましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか?2020年は歴史に残るほどの波乱に満ちた1年だったかと思います。人々の生活や価値観が大きく変わった年となりました。
私事にはなりますが、12月に第三子を出産しました。予定日より1ヶ月早く産まれたため、クリスマスや年末年始は心身ともに慌ただしく過ごしておりました。(また出産記録は詳しく書きたいと思います。)
さて、アメリカで3度の出産を経験しましたが、日本とは異なることもあるかと思うので、今回は妊娠から出産までのことについて書いていきたいと思います。初めてアメリカで出産する方などの参考になれば幸いです。
妊婦期間のスケジュール
基本的にアメリカの妊婦検診は、28週までは月に一回ペースで、30週を超えたら3週間後→2週間後→毎週という流れで行われます。初診はだいたい6週頃から予約を取ることができます。
アメリカのでは日本のように毎回エコーで胎児の様子を見ることはありません。リスクもなく正常な妊婦であれば、妊娠初期の頃と中期の頃の3回のみです。リスクがある場合にはエコーの頻度が増えます。
エコーで確認しない時は、機械で心音を確認します。毎回の検診では、体重測定、血圧測定、尿検査、エコーまたは心音確認、ドクターと対話で終了。産婦人科に入ってから最短10分で終わる早さです。笑
私は第一子の時はリスクがあったため、病院に通う度にほぼエコーが行われたので、おかげで写真はたくさんもらえました。ちなみに第二子の時は順調だったので写真が極端に少ないです。
病院は専門機関ごとに分かれている
アメリカでは日本のように妊婦検診から出産まで同じ場所=産婦人科(OB/GYM)で行われることはありません。妊婦検診はドクターのいるオフィス=クリニックに通い、出産はまた別の病院ですることになります。
出産は検診と別の病院にはなりますが、担当ドクターが所属しているまたは提携している大きな病院で行われるので、基本的には担当ドクターに赤ちゃんを取り上げてもらえます。
アメリカでは専門医の分業を徹底しているので、エコーはドクターではなくエコー技師が見ます。その他、検査のためにより専門的な違う病院へ行くこともよくあります。
体重制限はほぼナシ!?
毎回の検診で体重測定はありますが、アメリカは体重管理がとてもゆるいと思います。3度の妊娠中、体重に関して何かを言われることが一切なかったので個人的にはストレスフリーでした。
日本では標準のBMI(18.5〜25.0未満)の人で7〜12kgを体重増加の目安にしているのに対し、アメリカは11.5〜16kgなのです。そもそも基準が違うみたいですね。
さらに体重の表記はlb(ポンド)なので見ても毎回ピンとこない!(単位は未だに慣れません。) そのため毎回の体重測定で自分の体重を瞬時に把握できていませんでした。笑
そんな事もあり、妊娠中は体重増加を全く気にせず、好きなもの食べたいものを好きなだけ食べていました。むしろ日本人は痩せ過ぎと言われる傾向があり、私の友人はチーズバーガーを食べなさいと指導されたそうです。笑
私は最終的に14kgの体重増加でした!アメリカでは妊婦の体重増加は10〜20kgは許容範囲だそうです。しかし、増えた分を産後に戻すのは大変…結局は自己責任になります。
妊娠11週で性別が判明する!?(出生前診断)
妊娠10週の検診で血液採取があり、それをもとに新型出生前診断(NIPT)が行われます。これは任意ではありますが、アメリカでは保険が適用されるので、特別拒否しない限り一般的に受ける検査となります。
日本では出生前診断を受けるかどうかについて賛否両論様々な意見があるかと思います。これに関しては、事前に夫婦でお互いの考えや思いを話し合っておくのが良いかと思います。
検査結果はオンラインで確認できるとともに、郵送や電話等で知らせてもらえます。だいたい3日〜1週間ほどで結果が分かります。出生前診断を受けると、性別も判明します。
私は3人とも電話で結果を伝えられ、その際に性別も知りたい?と聞かれました。即答でYes!妊娠初期の段階で性別が正確(99%の確率)に分かるので、その後の準備もスムーズに進められるのが良いですね。
つわり緩和の薬が処方される
妊娠時の最大の敵は「つわり」英語ではMorning sicknessと言います。空腹時に吐き気を感じやすいと言われていますが、原因などは特に解明されておらず、妊婦を苦しめる根源ともなっています。
アメリカではつわりが辛いとドクターに訴えると、つわり緩和の薬を処方してもらえます。効果には個人差がありますが、薬のおかげで少しでも快適なマタニティーライフを送ることができるのです。
私は第二子、第三子の時にBonjestaという薬を飲んでいました。実際、第三子の時にはあまり効果が得られなかったのですが、第二子の時はとても効果があり、幾分か楽になりました。
全員必須!グルコーステスト
アメリカでは24〜28週目頃にグルコーステストと呼ばれる「妊婦糖尿病検査」が全員必須で行われます。検査日当日に甘いドリンクを飲んでから、血液採取をするのですがこのジュースが尋常じゃなく甘い!
種類はオレンジ、フルーツポンチ、レモンライムがあり、オレンジは炭酸の抜けたファンタ、レモンライムは炭酸の抜けた三ツ矢サイダーのような味です。(フルーツポンチ味は飲んでいないので分かりません。)
このドリンクは不味いと評判なのですが、意外と美味しかったりする。笑(アメリカの甘いスイーツに舌が慣れたのか…!?)それでもあまりの甘さに喉が焼けるような感じなので、飲み干すのに苦労しました。
私は3回ともパスしましたが、友人の話によると引っかかった場合は、再検査となり飲むドリンクは2倍の100ml、3時間缶詰め状態で4回の採血をするそうです。(これがかなり苦痛だったと言っていました。)
この検査はなぜかアジア人は引っかかりやすいと言われています。白人に比べアジア人はインスリン分泌が悪く、インスリン抵抗性が強いため妊娠糖尿病になりやすい体質なのだそうです。
Tdap予防接種
アメリカではTdapと言われる「ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン」の予防接種を27週〜36週の間に受けることを推奨されます。(日本ではこの予防接種はないそうです。)
特に百日咳は感染力が強く、咳の空気感染でうつることが分かっています。ワクチンを受けていない場合の感染力は90%と言われており、新生児が感染した場合、命に関わることがあります。
新生児の予防接種でこのTdapがあるのですが、受けられるのは生後2ヶ月からになるため、それまでの間の感染を防ぐため、また胎児への免疫をつけるためにアメリカでは妊婦が摂取するのです。
両親学級
基本的に両親学級は有料で行われます。私は第一子妊娠の際に参加しました。スライドショーや動画を見ながら説明を受けます。赤ちゃんの人形でオムツ替えの練習などをしました。
参加してみて良い機会にはなりましたが、正直なところ別に参加しなくても大丈夫。笑 今の時代、ネットで検索すれば分かることばかりなので、お金を払ってまで参加する必要はないかなと思いました。
出産する病院の院内ツアー
上記で説明した通り、アメリカでは妊婦検診で通う病院と、出産をする病院は別なので出産する場所を選び、事前予約する必要があります。(担当ドクターから説明があると思います。)
また、院内ツアーというものがあるので、参加することで出産のイメージをより具体化することができます。院内ツアーはとても良かったので、ぜひ参加することをオススメします。
院内ツアーでは実際に出産や産後に滞在する部屋の他、入り口からのルート、緊急時の入り口など細かく案内してもらえるので心の準備も整います。(ちなみに私は院内ツアーに行った1週間後に第一子が産まれました。)
出産した病院はとても大きく広いので、予め見て確かめておくことで出産当日の受付もスムーズにできました。ただでさえ陣痛や予想外の出来事で興奮状態にあるので、不安要素はなるべく取り除いておくと良いですよね。
アメリカで快適な妊婦生活を
アメリカの検診はエコーが少ないのは少し物足りなさがありますが、予約制で待ち時間はなく、毎回驚くほどとても簡潔です。「合理的」なお国柄がよく現れています。
また、様々な人種の人たちが妊婦検診に来ているので、ドクターやスタッフも英語が第二言語である人達にも慣れており、少し言葉の壁があったとしても、意思疎通や対応はスムーズです。
さらに必要であれば通訳を用意してくれるところもあるので、検診の予約時に聞いてみると良いかと思います。やはり妊婦検診は専門用語も多いので、通訳の方がいてくれるとより安心です。
異国の地での妊娠は何かと不便なことや不安も多いかと思いますが、日本との違いを味わいながら、”なんとかなる!精神”で楽しみましょう。出産編へ続く…
愛を込めて…
Noriko